エビデンス集(表紙)
スポーツ

【エビデンス集】スポーツ

【目的】

クリルオイルが、筋タンパク質合成率を増加することに関与する「mTORシグナル伝達」を刺激する能力があるか、 またレジスタンス(高負荷)トレーニングによって誘発される身体組成(脂肪減少)とパフォーマンスに変化がみられるか調査する。


【方法】

18歳から30歳の男性で、過去6年間に週2回以上のレジスタンストレーニングを行っている人21名を対象に、11名がプラセボを、10名がクリルオイル(3g/日)を摂取した。
なお、本試験は二重盲検比較試験で行い、身体組成、最大筋力、ピークパワー、知覚的回復率を0週目と8週目の終わりに一括して評価した。


【結果】

クリルオイルによる、mTORの有意な上昇が確認できた。
除脂肪体重がクリルオイル群+1.4kg(+2.1%)と有意に増加した。
プラセボ群は+0.3kg(+0.5%)であった。

一方、筋力の増加はクリルオイル群で
・ベンチプレス +4.3kg ( +4.4% )
・レッグプレス +48.9kg(+15.0%)
そして、回復感も有意に増加(+15%)したが、プラセボとの有意な差は認められなかった。


【考察】

クリルオイルは、筋細胞内の刺激伝達たんぱく質「mTOR」や「除脂肪体重」を有意に増加させた。アスリートにおいて、クリルオイルの補給は禁止薬物的なデメリットがなく、安全であり、今回はパフォーマンスに有意な差は見られなかったものの、引き続き研究を進めるべきである。