エビデンス集(表紙)
心血管系

【エビデンス集】心血管系①

【目的】

 4週間後の、クリルオイルとオメガ3オイルのトリグリセリド(中性脂肪)低下効果を比較すること


【方法】

  25名の中等度高トリグリセリド血症患者(TG=150-500mg/dl)を対象に、二重盲検無作為化試験で行った。
 4週間の食事運動療法の後、オメガ3オイル1000mgを1日2回、合計2000mgとクリルオイル500mgの1日2回を、それぞれ4週間投与した。

*クリルオイル1剤あたりのオメガ3含有量=EPA 75mg+DHA 45mg
*オメガ3オイル1剤あたりのオメガ3含有量=EPA+DHA合計850mg↑


【結果】

両群共に、トリグリセリド(中性脂肪)低下効果があった。
オメガ3オイルの方が、クリルオイルに比べて有意に低下させる効果があった。
しかし、クリルオイルは、唯一、有意にHDL-C(善玉コレステロール)を改善し、また動脈硬化の指標の一つであるアポリポ蛋白(apoAI)を改善した。


【考察】

 結論として、クリルオイル1000mg/日の投与は、中等度高トリグリセリド血症患者において、
オメガ3オイルを多く摂取した場合と同等の脂質低下効果を示し、中性脂肪の低下効果は若干劣るが、HDLコレステロール値は有意に改善し、炎症の指標である高感度CRP低下効果があることが確認された。